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小説としてのネット恋愛を考え、そして断念する

ネット恋愛には陽のイメージと陰のイメージがある。

陽のイメージは、映画や小説での「本来ならば出会う筈のなかった二人を、互いの小さなパーソナルマシーンが結びつけた運命的な出会い」というロマンテックな見方による評価。

陰のイメージとは、複数あるが、
代表的なもののうち一つには「仮想社会のスイッチ一つで終わらせることのできるコミュニケーションにハマる幻想愛好家のような人々が陥りやすい仮想の恋愛」とするもの。

二つ目には、性的欲望と交じり合った出会いを求める人々が、テレクラなどから、
出会いの舞台をネットへと移行しただけの「出会い系」あるいは会員制で紹介料を取る紹介サービス業者によるもの。

さて、そんな陽と陰のネット恋愛なのだが、
2007年現時点における世間のネット恋愛への興味の動向はどうか?と思い、
月間どれほどの人がネット恋愛について検索しているかを調べてみたら、
2007年2月の一ヶ月間に「ネット恋愛 」というキーワードで検索した人々の数は僅かに2583人である。

「ネット恋愛というキーワードで検索上位に来るサイトがネット恋愛に関して、
間違った情報や、いい加減な情報を流すわけにはいかないだろう」と、
私個人としては考えている。
ところが、現実には出会い業者のサイトや、ネット恋愛の陰の部分のみを掬い上げて解説しているサイトが検索上位に来てしまっているので、マイナスイメージが、ますます広がりやすいという悪循環に陥ってしまっているのがどうやら現状だ。

「ネット恋愛とはどのような人がするのか?」という質問に関しても、さまざまに偏った回答がされているようである(笑)
代表的な回答例では「現実社会では到底モテそうもない男女がする」というのがあるみたい(爆)
そういうケースがネット恋愛を実践したカップルの中に混じっている可能性については、
あえて否定はしない。
が、しかし追跡調査もしないで、言い切ってしまうのも「いい加減だな~」と思わざるおえない。

私は世間の人々から、あまり興味を持たれていないネット恋愛小説を書いていた。

何故、そんな事をしているのか?と言うと「たまたま自分が経験したから」というだけの事である。
先頃は、私以外にも「ネット恋愛小説」というものを書く人達をチラホラとお見受けするが、
「やっぱりネット恋愛ってマイナーなんだな~」と思わざるおえないのは、
有名人が小説として書いてさえ、一部のメディアで、ささやかに話題になるのが関の山で
あんまりヒットしないんで・・・(苦笑)すいません中山千夏さんm(_ _ )m

さて、ネット恋愛を小説(物語)として描く場合に、
それは、どのように展開していくべきものだろう?

恋愛する二人の一対一のやりとりでだけで話が展開してゆくものならば、
別に小説という形を取る必要は全くない。手記という形で事足りてしまう。
そういった形の手記は結構ネット上に数多く見受けられるし、そういった手記を
寄せ集めて出版された本なども出回っているようだ。

いわゆる出会い系や、掲示板で知り合ったというメールのやり取りの連続で綴られる
登場人物は恋する二人だけの旧式な形のネット恋愛
は手記にはなりえるが、小説にはなりえない。

小説にするには登場人物が二人だけで話の進行はメールのやりとりだけというのでは、
話に膨らみが生まれないからである。

もっとも「同じく私達もネット恋愛をしています」という人達や、
あるいは、おっかなびっくりで未知の世界を覗いてみたいと思っている
一握りの人々が読者層になるので、そういった旧式な形のネット恋愛も、
寄せ集めて一冊に纏めれば、なんとか読み物にはなるのだろう。

チェスの駒と同じように、仮想社会でも碁盤の目のように複数に入り組んだ人間関係がある。
全くその点は現実と変わりがない。
現実がそうであるように、そこには、さまざまな人間の感情(願い、希望、思念や思惑、
理想、目的、夢、挫折etc)が渦巻いているのである。
その中でたまたま二つのチェスの駒が恋愛感情に導かれていく・・・そういった部分を
リアリティを持って書き切れるのは実際に経験した者にしか出来ないであろうし、
書く以上は恋愛ものだからと言って、
良きにしろ悪しきにしろ、
仮想社会の中で絡み付いて来たさまざまな人達との関係を、その関係の一つ一つが
正であれ負で抜きにして書くことは出来ない。

だが、出版物に成り得ないネットでの文章表現でも「書かれたくはない」と言う人は多く、
「仮名にしようが設定を微妙に変えようが書かれたくないから書いたら訴える」とまで
言われてしまっては断筆せざるおえない。

自分自身も含め、基本的に人間とは間違う生き物である。
長く生きれば生きるほど「これまで一つもミスを起こさず生きてきた」などと言い切れる人はないだろう。

小説の場合は、そもそも、それを前提に書かれる。

そもそも、ミスを起こさない完璧な善の塊のような人間ばかりが出てくる物語を読んで面白いだろうか?

そして、もし仮に誰かが登場する人物のモデルになっていたとしても、
その人物に類型した人は数多くいるものであり、書く人間はけっしてそのモデル一個人への怨みつらみを晴らさんが為に書いているのではないが、
そんな事を言ってみたところで理解されるものでもないというのもまた現実というところ。

そんな現実があるものだから、これまでなかなかに、リアル社会と同じように、
複数の人間のさまざまな感情が渦巻く仮想社会の中で起きた恋愛を取り上げて
最後まで書ききる事を成し遂げた人は類稀なのだろう。
リアル社会と同じように、必ずネットの上にも逆風は吹くものだから。

裏リアルバーチャルストーリー 第2話【ずるい男テロル】その2

「テロルさんは保険調査員をしておられるんですよね?」
「え?!ああ、そうですよ」
実際のテロルの仕事はネットパトロール隊員であったが、
それは世間に認知されている仕事ではなく、
いわゆる裏稼業なので、
初対面の人に話して聞かせるわけにはいかない。
それでテロルは保険調査員をしているという事にしてあったのだ。

「あの・・・私、今、転職をしたいと思ってるんですが、保険調査員のお仕事とかって、
どこで求人しているんでしょうか?」

うわぁ~なんか突然、難しい事、聞かれちゃったなぁ~とテロルは内心焦りながらも、
冷静さを装い「ん・・・求人ですか?」と微笑みながら
「いやぁ~姉がね、保険の外交員をしているもんですから、姉の口利きで大学を出てすぐに
姉の勤める大手の保険会社で面接を受け採用されたんですよ」
と凄くテキトーな嘘をついた。
言った直後にもう「しまった!」と思った。
よく考えたら、おかしい事を言っている。
誰でもなれる保険の外交員が、そんなに上の人に顔が効くわけはない。

だが、桜子にはその方面の知識はないらしく「そうなんだ・・・やっぱり新卒じゃないと求人はないんですね」と、ちょっとガッカリした顔をした。

「ああ、僕、人事の事はよくわからないんですが、まぁ通常、突然求人するって事はない
ようですね。でも、なぜ転職したいの?」

「給料、安くって・・・まぁ会社も小さいとこですし最近は通販に売り上げ、さらわれてるから、業績がた落ちだって社長が、いつもぼやいてるくらいだから仕方ないんですが・・・」

「ああ通販ね、君んとこの会社はネット通販で売ったりしないのかい?」
「しないって言うより、なんか出来ないみたいです。前に一度、試してみた事はあるみたいなんですが、失敗したようです」

「そうか・・・今は中小企業は何処もみんな厳しいよね」
「すみません。暗い話になってしまって」
「いいんだよ。ね、これから、どっか遊びに行って気分をパッと明るくしない?ね!そうしようよ!」
レシートを掴みながら立ち上がったテロルはとびきり明るい笑顔を作り、桜子を促した。
「あっ・・・はい!あ、それ・・・」桜子はテロルが右手に掴んだレシートを申し訳なさそうに見ている。
ああ、この子、マジ男慣れしていないのかな?チラリとそう思ったが
「いいんだよ。気にしないで」と告げると、「すいません。ごちそうさまです」とペコリと頭を下げた。

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

助手席に桜子を乗せてテロルのエスティマは軽快に首都高速を流れて行った。
横浜コスモワールドで「バニッシュ」にでも乗ってテンションを上げるつもりだった。

車内にはEXILEの「Together」を流していた。
ナンパした女の子に安心感を与えるにはEXILEの曲はGOODセレクションだった。

「ねぇ・・・ああいうところ、よく利用するの?」運転をしながらポツリと聞いてみる。
正直に答えるかどうかはわからないけど・・・。

「よくって事はないですけど、時々は使ってました。汚らわしいって思いますか?」

案外と正直な答えが返ってきたので、やっぱり純朴な娘なのかなぁ・・・などと
内心思いながら、
「ええっ~何言ってんの?!そんな~汚らわしいなんて思うわけないじゃん!
いいんだよ。俺だってしてたんだし、お互い様だよね」
そう言って、桜子に笑顔を向けながら、そっと頭を撫でた。
テロルの八重歯を見せての笑顔は概ね、いつも、女の子には好評であった。

「この前、会った男の人ね、物凄く感じ悪かったんで、もうやめようかと思ってたんだけど・・・」
桜子がそう切り出した時に、
曲が「ただ...逢いたくて」に変わった。

ドラマ 翼の折れた天使達 第3夜『時』 感想

ドラマ 翼の折れた天使達 第3夜『時』 感想


人は知らず知らずのうちに自分を追い込んでいる。
負けたくないのは何故?

勝ち抜いて登り詰めた所には富や名声が約束されているからだろうね、きっと。

けれど、そうやって自分を追い込んで追い込んで生きてみても、
自分のキャパシティを越えた時に壊れそうになる・・・。

翼の折れた天使達 第3夜『時』は、現代を生きる誰もが皆、
一度は陥る迷いのパラドックスを、言葉少なにアーティステックに見せていた。

 くしくも今日の夕方のニュースでは、
「韓国の中学生が、辛い詰め込み教育に耐えかねて、放火をする」という速報を伝えていた。

学歴社会、詰め込み教育が崩壊すれば、今度は、ゆとり教育による格差社会。
どうして人とは、こうも極端から極端に走るのだろう?

大人の無神経で無慈悲な期待がプレッシャーというモンスターとなって、
子供に襲いかかるのは韓国でも日本でも変わりが無いようだ。

 翼の折れた天使達 第3夜『時』の香奈(加藤ローサ)も父親の過大な期待が大きくプレッシャーとなっていた。
「お父さんの笑顔が見たかった」その気持ちは良くわかる。
私も子供の頃、父に絵を誉められるのが何より嬉しかったから。

そういう健気な子供心が根底にあったとしても、所詮この世は競争社会。
誰もが上昇志向の中では、どこまで登り続けても頂点は見えない。
プロフィール

桃

Author:桃
文学と映画の好きな主婦。
神戸に住んでいます。

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